お薬にまつわる疑問、誤解を現役の薬剤師さんからアドバイス
※過去に連載していた記事を再掲載しています。
めっきり寒くなってきましたが、このシーズンになるとみんながおびえているあの病気の流行がやって来ます。そうです嘔吐下痢症です。かかったチビッコも本当にかわいそうですが、家庭内の感染が多く、そういう意味でも恐怖感のつのる病気ですよね。
嘔吐下痢症は、その名の通り嘔吐と下痢を主症状とします。冬場には、すっぱい臭いの白っぽい便が出るロタウィルスによるものにかかった経験をもつチビッコもいるでしょうね。
そんな時に嘔吐時用の坐薬が処方されます。使い方は熱冷ましなどと同じなのですが、使用が吐気をしずめるというものです。嘔吐後や吐気のひどい時に入れ、それからお薬が効くまで1時間程飲食しない方がよいでしょう。1時間も我慢させるのが、かわいそうだとか、チビッコがすごく飲みたがるからと、すぐにたくさんの飲み物をあげてしまうと嘔吐する事が多いものです。嘔吐を繰り返すと本人がつらいのはもちろんですが、脱水症状にもなりやすく、症状が重くなってしまいます。かわいそうなのはわかりますが、坐薬使用後1時間程様子をみながらお薬が効くのを待ってから、少量の水分から開始する方が結果的によいのです。
水分補給には、失った水分とイオンを一緒に摂れる様に、イオン飲料(例えば、ビーンスターク ポカリスエット、アクアライトなど)がおすすめです。それでも嘔吐が続けば、先生に相談してみて下さい。
それと…坐薬が出てしまったという問い合わせがよくあります。入れて10分以内だったら、やり直しをしてあげて大丈夫だと思います。おなかがぐるぐるしている場合が多いので出やすいりも無理はないのですが、少し奥に入れてあげると出づらいし、本人も違和感がなくなります。どれくらいの時間、身体に入っていたか、特にオムツのチビッコはよく観察しておいて下さい。 家庭内での感染予防は、うがい&手洗いにかぎります。特にオムツや吐物を片付けたあとは、ママも念入りに手洗いを!!