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みどり先生のおくすりメモ - お薬にまつわる疑問、誤解を現役の薬剤師さんからアドバイス みどり先生のおくすりメモ - お薬にまつわる疑問、誤解を現役の薬剤師さんからアドバイス

お薬にまつわる疑問、誤解を現役の薬剤師さんからアドバイス

※過去に連載していた記事を再掲載しています。

インフルエンザとタミフル

今回は、政府も備蓄を勧めていたかの有名な抗ウイルス剤”タミフル”についてとインフルエンザのとき一緒に使いそうなお薬の注意事項をお話ししましょう。 

以前には無かったインフルエンザの検査薬(A型かB型かも分かります)や抗インフルエンザウイルス薬の開発により診断と治療がかなり迅速になりました。私が薬剤師になりたての頃には、もちろんそんな便利なものはありませんでした。解熱剤と症状を取るお薬だけでしのいでいたので、治るまでに時間がかかりきつい思いをしている患者さんが多かった様に記憶しています。ところが、昨年末頃、抗ウイルス剤”タミフル”による異常行動で2人の方が亡くなったということが報道されました。私もこの報道を聞いた時にはびっくりしました。でも、同じ番組で「これはタミフルのせいかインフルエンザそのものが引き起こすものかは判断できません」とドクターがおっしゃっていたので、私も調べてみたところ確かにインフルエンザ自体でも異常行動は起こすことがあるみたいです。けれど、この報道を聞いてタミフルをちびっこに飲ませるのが心配だと言うママ達が増えたのも日常業務の中で感じます。そんな時は、飲んだ時のリスクと飲まない時のリスクを比較すると飲んだ時の方が少ないとドクターが判断したために処方されていますと伝えます。ですが、何か普段と違った様子があったらすぐにドクターか薬剤師に相談してくださいね。

それから、タミフルを渡したときによく尋ねられるのが、「熱が下がったら飲むのをやめてよいか」という事です。実際飲み始めて2日ほどで熱が下がったというちびっこが多い気がします。数年前にタミフルの数が少なく品切れしていた年は、全ての人に1~2日分しか処方できなかったのですが、それは本人が楽になるために最低限必要な日数だっただけで、周りへの感染力を考えるときちんと処方された分は飲むべきですよ。それと、インフルエンザの時に使えない熱さましがあります(初期に使うと脳炎をおこしやすい報告があるため)。これは、数年前からかなり言われていますが最近では徹底しているお陰で、小児科ではこのタイプの熱さましはほとんど処方されなくなりました。しかし、歯科や外科(整形)などでは処方される可能性がありますのでこの時期だけはご注意ください。

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