お薬にまつわる疑問、誤解を現役の薬剤師さんからアドバイス
※過去に連載していた記事を再掲載しています。
シロップ剤は水薬とも言われ、その名の通り液体状の飲み薬のことです。小さいベビーから飲めますし、大人でも咳止めなどで処方されることが良くあります。1種類しか入っていない場合もありますが、たいてい数種類のお薬が混ぜてあります。(症状に応じて混ぜる種類や数は異なります。)私たち薬剤師がシロップ剤をお渡しするときに、「振り混ぜてから1回分を量りとって下さい。」とお伝えするのは、入っているお薬を均一な状態で飲んでいただくためです。混ぜてある物によっては、ボトルの下のほうに粉状の成分が沈殿してしまうものがありますので、必ず振り混ぜてから量りとるようにして下さい。ただし、ひどく振ると泡が立って目盛りが分かりづらくなるものがあります。私がお勧めしているのは、ボトルを3~4回逆さに倒す方法です。(図①)この方法でも十分に混ざります。
さて、量り方ですが、これも難しいというママ達がいます。1回○mlという時には付属のカップなどで量れますが、容器の目盛りを使って量る場合は、1回できちんと量るのはなかな上手くいかないですよね。
ママたちによく尋ねられるのが、『ボトルの目盛りが1回○mlを意味しているのか』ということです。残念ながら関連はありません。目盛りは日数を表示しています。(図②)
上手に量る方法は、貰って帰って最初に飲む時に、1回分を以前に貰ったお薬用のカップなどにきちんと量って入れて、油性マジックで印を付けておくと次回から簡単に量れます。(図③)
それから、シロップ剤はあまり日持ちがしません。出来るだけ決まった日数できちんと飲んでしまうのが理想的です。チビッコが上手に飲めない原因として、シロップ剤の甘味が強すぎてダメということが多々あります。そういった時には、冷まし湯などで少し薄めてみると良いでしょう。(増やしすぎに注意)
以前、知人の薬剤師から聞いた話で、「よく振ってからお飲みください。」とお伝えしたら「子どもをですか???」と尋ねられたという話は本当だったのでしょうか…。