有限会社 みどり調剤薬局 くすりのキャプテンキッズ

みどり先生のおくすりメモ - お薬にまつわる疑問、誤解を現役の薬剤師さんからアドバイス みどり先生のおくすりメモ - お薬にまつわる疑問、誤解を現役の薬剤師さんからアドバイス

お薬にまつわる疑問、誤解を現役の薬剤師さんからアドバイス

※過去に連載していた記事を再掲載しています。

脱水症状にご注意!

今年の夏は暑かったですね。各地で『熱中症』の人も多かった様子で、何だか家の中にいても『熱中症』にかかったという方もいらしたそうですね。 今回は、そういう場合や嘔吐下痢症、熱の時に起こす脱水症についてお話いたします。

嘔吐や下痢などによって消化液を失うと水分やイオンが不足してPHの平衡が壊れ、体液バランスの異常すなわち脱水症状を起こします。 

乳児は成人や年長児に比べ急速に脱水症状を起こしやすいと言われています。実際に冬場の嘔吐下痢などはかなり脱水になっているチビッコをみかけます。

下記に表の様にだんだん脱水がひどくなってくると、昏睡状態になってきます。ひどい嘔吐下痢があり、熱が上がっていて脱水の条件が揃っているのに、水分がほとんど取れていない場合でも「ずっと大人しく眠っているので大丈夫」と考えるのは心配です。よくお話しているのは、おしっこがしばらく出ていないとか、泣いても涙が出ない、唇が乾いている(バリバリしている)時は注意!!と伝えています。そうならない心がけとしては、水分の摂り方なのですが、嘔吐のひどい時に本人が欲しがるからと一度に大量の水分をあげてしまうと、胃が大きく揺れている状態のところに水分を入れるようなものですぐに吐いてしまいます。困ったことに、その場合、出て行ったものは補った水分だけではなく、大切なイオンも一緒に外に出していることになります。こういった場合、飲ませる→吐くを繰り返し、益々脱水症状に向かっているようなものです。必ず水分を少しずつ、こま目に与えるようにして下さい。(点滴も一滴ずつしか入っていかないものですから)失われたイオンを補給できる様にイオン水を上手に使ってください。それでも嘔吐がおさまらなければ処置が変わってきますので、医師に相談してください。最近では「経口補水液」といって飲む点滴みたいなイオン水も発売されています。今までのものよりもイオン濃度が高いものなので医師の指示や薬剤師の指導のもとで購入してください。

脱水の程度 体重減少 活力 機嫌
軽度 5% 全身倦怠 不機嫌
中等度 10% 脱力感 うとうとしているが
時々ギャーと泣く
涙出ない
高度 15% 無力状態 昏睡ケイレン 涙出ない

重症の場合は命に関わることもあります。様子がおかしければ医師に相談を。

おくすりメモ一覧