お薬にまつわる疑問、誤解を現役の薬剤師さんからアドバイス
※過去に連載していた記事を再掲載しています。
花粉と共に少しずつ春がやって来ている感じですが、皆様いかがお過ごしですか?
一部の地域を除いてインフルエンザのA型は少し落ち着いてきましたが、それよりも、嘔吐と下痢のちびっ子が増えています。今回は、ママ達によく尋ねられる下痢の時に注意することについてお話しします。 下痢とは便がいつもの形を失い、液状に近づいた状態をさしますが、便中の水分割合が増えて起きてくるものなので、一般的には便量も便回数もふえてきます。正常な便がどういうものか、色んなちびっ子について範囲を決めることは難しく、便回数や液状の程度よりは、その子のいつもの便の性状や回数と比べて普通でない時に注意をしていく事になります。それは、母乳だからとかミルクだからなどよりも体質によるものの方が大きい様に思います。原因としては、細菌やウイルスによる一般的な感染症や、抗生剤を飲んだことに伴うものが多いです。そういう場合、整腸剤(お腹の環境を整える作用の物)単独やそれに下痢止めを混合したものを処方されます。前回インフルエンザの時にお話した様に、ウイルス性のものだと診断された場合には抗生剤の効果はないので処方されませんが細菌性のものだと診断されれば処方されます。この様な時の食事についてですが、とにかく水分をこまめにあげるようにしてください。水分を多く摂るから水っぽい便になるわけではありません。下痢で失われた水分を補うようにする必要があります。できれば、イオン水が良いですね。食べ物は、便の状態に近いやわらかさの物をあげましょう。冷たいものや、油っこいもの避けてください。水分も冷蔵庫から取り出してすぐのものより、出来ればぬるい位の方がいいでしょうね。ミルクだけの月齢の時には、下痢の時用のミルクが市販されています。いつも使っているミルクに混ぜると消化を助けるお薬もありますので、長引いている時やひどいときはドクターに相談してみてください。ちびっ子の下痢は大人に比べて治るまでに時間がかかることがよくあります。何度か続けて診察しているのにドクターからは前と同じお薬しか処方されない事があります。菌やウイルスが関係している下痢は無理に止めると、それらがお腹で増えてしまうので、悪いものが出るのを妨げないために下痢止めを強くしないのですよ。その場合、食事療法を組み合わせると治りがちがいますので是非そうしてください。私も、子どもが下痢の時に暫くの間消化のいい食事につき合わされましたが、これがまたすぐにおなかがすいてしまうし、飽きるしつらいですよね…。
でも、ホテルの朝食でおかゆがあると、必ず食べたくなってしまうのが不思議です。